消えた夜行バス|“全員がいなかった”深夜の怪事件

消えた夜行バス|“全員がいなかった”深夜の怪事件

深夜の高速道路で見つかった一台の夜行バス。

ヘッドライトはついたまま、エンジンも動いていた。

しかし、 乗客は一人もいなかった。

荷物棚には旅行バッグが並び、座席にはブランケットが落ちていた。

さらに、 乗客が“ついさっきまでそこにいた”気配だけがかすかに残っていた。

これは失踪とも事故とも言い切れない。

そのうえ、 事件性を示す決定的な証拠も見つかっていないため、今も不可解な怪事件として語られている。

目次

無人のバス

バスが発見されたのは午前3時すぎ。

高速を巡回していた警備員が、走行車線の端で静かに停まっているバスを見つけた。

運転席には誰もいなかった。

ところが、 エンジンはアイドリング状態で温かかった。

まるで、ほんの数分前まで運転されていたようだった。

車内には“生活感”がそのまま残っていた。

  • ドリンクホルダーのペットボトル
  • 読みかけの雑誌
  • 座席に置かれた上着
  • 充電ケーブルにつながったスマホ

そして、 これほど痕跡が残っているにもかかわらず、乗客も運転手も、ひとり残らず姿を消していた。

やがて、 警察の現場検証が始まったが、行方につながる手がかりはひとつも見つからなかった。

乗客リストの謎

バス会社の記録では、その夜の乗客は 17名

運転手を含め、計18名が乗っていた。

しかしながら、 回収された乗客リストには不自然な点がいくつもあった。

差し込まれた紙だけが異様に新しく、まるで 書き換えられたかのようだった。

さらに、 名簿に記された連絡先のうち4件は存在しない番号だった。

単なるミスとして処理するには多すぎる。

そのため、 名簿自体の信憑性が疑われた。

最後に確認された“人影”

監視カメラ映像を確認すると、バスが停まった時間帯に、道路脇に立つ 複数の人影 が映っていた。

しかし、次のフレームではその影は完全に消えていた。

走り去る動きも、車両も映っていない。

専門家の分析によると――

「影は人型だが、温度反応がない。

したがって、実際の人物とは限らない。」

つまり、 カメラに映った“人影”が本当の人間だった証拠は何もない。

さらに言えば、 同じ時間帯に付近を通過した車両の運転手は“不自然な静けさ”を感じたと証言している。

消えた18人

その後、大規模な捜索が行われた。

それでも、 乗客18名の手がかりはゼロだった。

遺留品はバスに残され、カード類やスマホの使用履歴もその後 一切更新されていない。

失踪事件として扱うには痕跡が少なすぎる。

事故として処理するには情報が多すぎる。

一方で、 無視できない証拠が一つ残されていた。

運転席付近で回収されたスマートフォンに、送信されなかったメッセージが残っていた。

「バスの中に、もうひとりいる気がする」

それが誰を指すのか。

“もうひとり”は実在したのか。

しかし、 その答えは今も出ていない。

捜索は打ち切られ、事件は未解決のまま、記録には「不可解」とだけ残されている。

――あの夜、

あのバスで何が起きたのか。

18人の行方は今も闇の中だ。

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